工事成功コラム集

マンション・ビルの屋上防水は大切です!

マンションやビルの大規模修繕工事で屋上の防水工事は必要?
マンションやビルの大規模修繕工事において、屋上防水の工事は非常に重要です。

鉄筋コンクリートで作られているビルやマンションでは、きちんと防水層の状態を把握し、必要なタイミングで屋上防水工事を行うことが大切です。
マンションやビルの屋上は平らで、紫外線や風雨に直接さらされ最も過酷な環境下におかれている箇所だからです。

防水工事
屋上は一般的に人目に触れることの少ない場所でもあり、知らず知らずのうちに防水材や屋根材の劣化が進んでしまいかねません。防水材の劣化は雨漏りの原因となったり、漏水によって建物自体の耐久性まで低下してしまうことにもつながります。
人目につかないビルやマンションの屋上は、日常的な点検でのチェックと、劣化や損傷の程度に応じた適切な防水工事を行うことが大切になります。
屋上防水の種類
マンションやビルの屋上防水工事には、大きく分けて「ウレタン防水」「ゴム・塩ビシート防水」「アスファルト防水」の3つの種類があります。
以下でそれぞれの特徴を見ていきたいと思います。
【ウレタン防水】
その名の通り、ウレタン樹脂による防水層を形成する工法です。
液体状のウレタン樹脂を流し込むという特性上、複雑な形状であっても採用することができ、価格も比較的安価なため採用されることが多い工法です。
繋ぎ目がない仕上がりのため剥がれや漏れの恐れが少なく、耐用年数も比較的長いのですが、工法により難易度の高い施工技術を要し、職人の腕によって仕上がりが大きく左右されると言われています。また乾燥時間がかかるため、余裕のある工程が必要となります。

 価格相場:4,500円~8,500円/㎡程度
 耐用年数:10年〜15年程度

ウレタン防水
【ゴム・塩ビシート防水】
ゴムや塩化ビニールといった防水性のあるシートを敷いて、防水層を形成していく工法です。
以前は短工期で安価、かつ耐候性と伸縮性に優れた「ゴムシート防水」が主流でしたが、衝撃に弱い面があり、現在では「ゴムシート防水」よりも耐久性の高い「塩化ビニールシート(塩ビシート)防水」が主流となっています。
シートを張り付けていく工法であるため複雑な形状や狭い屋上には適さないと言えます。
逆に広く、屋上に架台や設置物が少ないと、コストメリットが出やすくなります。
また、耐久性が高い塩ビシートであっても結合部に経年劣化は生じ、雨漏りの原因ともなるので注意が必要です。
シート防水
ゴムシート防水
 価格相場:4,500円~8,500円/㎡程度
 耐用年数:10年~15年程度
塩ビシート防水
 価格相場:5,000円~9,000円/㎡程度
 耐用年数:10年~20年程度
【アスファルト防水】
液状に溶かしたアスファルトを、合成繊維不織布のアスファルトシートと組み合わせて防水層を形成する工法です。
 価格相場:5,500円〜9,000円/㎡程度
 耐用年数:15年~25年程度

施工方法には、「熱工法」・「常温工法(冷工法)」・「トーチ工法」の3種類があります。
アスファルト防水
熱工法
防水工事の中でも歴史があり、防水性に優れ信頼性の高い工法になりますが、アスファルトを溶かす際の200度以上の熱や匂い、火災リスクもあるため、近年では採用されるシーンは減少しています。
常温工法(冷工法)
ルーフィングシートにゴムアスファルトをコーティングし、複数枚を張り合わせていく工法です。
シートの繋ぎ目のみをガスバーナーで炙っていくため、熱工法と比べ安全性が高く、環境に優しく作業員も作業しやすい工法です。耐久性は熱工法やトーチ工法より低めとなります。
トーチ工法
専用のトーチバーナーを用いてアスファルトを炙って溶かしながらルーフィングシートを張り重ねていく工法です。
熱や煙などが発生しないため安全で、ルーフィングシートを溶着させるため、水が漏れにくく防水性の優れた工法になります。
現在のマンションやビルの大規模修繕工事では、主流の工法となります。

大規模修繕工事では既存の防水層の上に施工を行うため、各種の防水を検討する上で、既存の防水層との相性を理解し適切な種類の防水を選択するべきです。

既存防水層別 防水工法の相性

既存防水層 かぶせる防水工法 相性
ウレタン ウレタン
塩ビシート
アスファルト ×
塩ビシート ウレタン
塩ビシート
アスファルト ×
アスファルト ウレタン
塩ビシート
アスファルト


この表は既存防水層を撤去しない「かぶせ工法」を前提としています。

また3種類の防水工法の比較を表にいたしました。
こちらの比較表も、各防水の一般的な工法で「かぶせ工法」を前提としています。

防水工法 比較表

項目 ウレタン 塩ビシート アスファルト
×
作業性
防水性
コスト
工期
廃棄物
工法の種類
重量



防水工事の保証書
保証書
大規模修繕工事では、屋上防水工事が重要であることがご理解いただけましたでしょうか。
防水工事の工法や種類は多く、建物の状態や形状、周辺環境等に合わせた方法を選ぶことが大切となります。そのために、大規模修繕工事のタイミングで入念に検査をし、適切な工事を行うことが必要となります。
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