工事成功コラム集

ビル・マンション大規模修繕における外壁タイルの薬品洗浄とは?酸洗いの威力がすごい!

外壁タイルの酸洗いをご存じですか?
ビルやマンションの外壁タイルは、年数が経過すると黒ずみや雨だれなどの汚れが目立つようになります。それほど年数が経っていないのに白華現象により白く汚れるケースもあります。
このような通常の高圧洗浄だけでは落ちない外壁タイルの汚れには、酸洗いが効果的です。
酸洗いとは塩酸などの薬品で洗う薬品洗浄のことです。
以下で酸洗いの手順をご紹介いたします。
外壁タイル 張り替えたタイルが目立つ例
酸洗いの手順
①周辺の養生
タイルの酸洗いでは大量の水を使うため、インターホンや電気廻りなど洗浄部以外で濡れたら困る場所を養生します。
酸洗いの酸による変色の恐れのある箇所は特にしっかりと養生します。また植栽などに酸がかかると枯れるため、植栽の位置やバルコニー内に植木鉢が無いかを確認します。
水湿し
②水湿し(みずしめし)
養生後、タイルやセメント目地部を水で十分に濡らします(水湿しといいます)。
水湿しを行うことで、酸による「焼け過ぎ」を防ぎ、均一に目地を焼くことができます。
周辺の養生
③薬品(希釈した塩酸)塗布
塩酸をタイルの全体にブラシで塗布します。
目地にもしっかり入り込むように塗布していきます。
薬品塗布
④薬品(汚れ落としの酸)塗布
汚れ落としの酸をタイル全体にブラシで塗布します。
この時点で黒ずみなどの汚れが浮いてきます。
汚れ落としの酸塗布
⑤タイルの汚れ落とし
タイルに付着した頑固な汚れをナイロンたわしで擦り落とします。
タイルの汚れ落とし
⑥中和剤で拭き取り
中和剤を含んだウエス(布)で薬品を拭き取ります。
中和剤で拭き取り
⑦水洗い
水洗いを繰り返し行い、薬品がタイルや目地に残らないようにします。
水洗いが足りず、薬品が残ってしまうと、目地の変色やタイル表面の虹彩現象につながりかねません。
※虹彩現象とは、主に目地材の成分が溶け出してタイルに付着し、薄膜を形成する現象です。
水洗い
⑧施工完了
黒ずみが落ちて新築同様となりました!
施工完了

高濃度の酸での洗浄や酸洗いを繰り返すことにより、目地材のセメント成分が分解し、かえって白華汚れが目立つようになる場合もあるため、注意が必要です。汚れの度合いに応じた塩酸濃度の管理と共に、酸洗い前の水湿しや酸洗い後の十分な水洗いが大切です。
ビル・マンションの外壁タイル 酸洗いについては、