工事成功コラム集

ビル改修やマンション大規模修繕で扱うタイルの目地詰めとは?

ビルやマンションなどで壁にタイルが貼られているのを見かけたことがあると思います。タイルを貼った後、目地詰めをしますが、なぜ目地詰めが必要なのか役割について解説したいと思います。
そもそも目地とは?
目地とはタイルとタイルの隙間を指しますが、「目地なし仕上げ」と言ってもタイルの隙間がないことではありません。タイルは焼き物でもあるため、どうしても寸法誤差が出やすいです。そのため、目地幅を内装で2~3mm、外装で5~10mm程度を確保しないとキレイに納まりません。
目地なしの施工は「突きつけ目地」もしくは「眠り目地」がありますが、この仕上げはタイルが剥がれてしまって落下する原因にもなりかねないのであまりおすすめはできません。
タイル目地は幅をある程度とらないと、下地の膨張・収縮や地震による動きなどを吸収できないため、タイルに直接負荷がかかってしまい、欠けやヒビが入って割れやすくなります。
タイルの種類については外壁タイルの種類のコラムをご覧ください。
通し目地
目地詰めの施工について
目地詰めの施工時にはゴム鏝(コテ)を使用します。タイルのような素材に使用するには柔らかいコテがちょうどよいです。タイルを貼り付けた後は、目地材がタイルの目地部分にしっかりと密着するようにゴム鏝を使用して詰めていきます。目地材が乾燥する前に、軽く水で濡らしたスポンジを絞ったもので、タイル表面の余分な目地材を拭き取ります。
目地材をしっかり詰めて押さえることで、防水性が向上し、強度も増します。さらに、コテで強く押さえずに仕上げることで、ラフな風合いを出し、全体的に柔らかい印象を持たせることも可能です。
目地材を詰め、完全に乾燥したら「酸洗い」を行い全ての工程が完了です。
タイル工事の様子
目地はなぜ必要か?
タイル工事の様子

タイルの施工による目地の役割と必要性について解説します。
①目地はタイルの寸法誤差を調整ができる
タイルは焼き物のため、どうしても寸法に誤差が生じてしまいます。
焼く前と後で1割ほど縮んでしまうため、施工時に表面で段差が発生したり、目地部分に砂がかむことで誤差が発生したりします。
施工時に生じるズレを調整するために必要なのです。

②下地(躯体)素材の伸縮による影響を和らげ、タイルのひび割れを防止
地震などで下地(躯体)が動いた際に、仕上げ材に損傷の影響を及ぼす場合があります。
また、温度変化により膨張・収縮で下地が動いたり、経年変化による影響でゆがみが出たりもします。
そのため、屋外の床タイルや外壁タイルを広い範囲に施工する際は、影響が大きくなることを考慮し、一定間隔で太く弾力性のある目地(伸縮目地)を設けることがあります。
また、目地はこれらの誤差を調整するための重要な役割を果たしています。

③下地への接着強度を向上
主に外壁タイルをモルタルで貼り付ける施工では、タイルを下地に接着するだけでなく、目地部分にもしっかりと目地材を詰めることで、全体の接着力をさらに強化する効果があります。
特に二丁掛けタイルなどの大きめのタイルを使用し、目地が十分に詰められていない建物では、震災時にタイルが剥がれやすかったという事例があり、これは目地の役割を十分に果たせなかった例と言えます。また、1枚単位で落下することも多々あり、要注意が必要です。

④外部からの水分や埃の侵入を防ぐ
下地とタイルの間に雨などの水分や埃の侵入を防ぎ、下地や接着力の劣化を防ぎます。


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